車のコーティングの種類 それぞれの特徴は?
愛車をいつまでも新車のように綺麗に保つためには、やはりコーティングが効果的です。
コーティングを行うことで単にボディーに艶が出るだけでなく、汚れにくくなったり、塗装の劣化を防ぐ等の優れた効果があります。
ただ、コーティングといっても様々な種類があるので、それぞれの特徴をよく理解した上で自分にあったものを選ぶことが大切になってきます。
そこでこの記事では、一般的なカーコーティングの種類である、「ポリマー」「ガラス系」「ガラス」に大きく分けて、それぞれの特徴などについてご紹介したいと思います。
そもそもポリマーコーティングとは?
まず皆さんは、ポリマーコーティングと聞いて何を思い浮かべますか?
シリコーンやフッ素を乳化した簡易コーティング剤、ガラスコーティングの前身、ガラスコーティングの下位コーティング剤などを思い浮かべませんか?
実はこの「ポリマーコーティング」は、この業界ならではの大きな勘違いをされています。
まず結論から言うと、ガラスコーティングもポリマーです!!
これはほとんどのプロのコーティングショップの方も間違えて認識していますので、それを伝えられた側の方も当然間違えて認識してしまいますよね。
これは恐らく、コーティングの認知の順番に原因があるのだと考えております。
まずボディコーティングは最初に「ポリマーコーティング」が認知されましたね?
この頃に使われていたポリマーコーティングは、ほとんどの物がシリコーンやフッ素を乳化した物をベースにしたコーティング剤でした。
そしてその後に出てきたのが、「ガラスコーティング」です。(ガラスコーティングはシロキサンやポリシラザンなどを主成分とした硬化型被膜を指します。)
この広まった順番により、本来ポリマーとはガラスのように1つの物質を指すのでなく高分子量化合物という広い意味を持つのですが、いつの間にか「ポリマー=乳化コーティング」、そして進化した上位コーティングがガラスコーティングと言われるようになりました。
正しくは乳化コーティングもガラスコーティングも「ポリマー」なのです。(モノマーやオリゴマーは別として考えます。)
ガラス系コーティングとは?
こちらもこの業界ならでは、そして日本ならではの言い回しではないでしょうか。
数ある物質の中で、シリコーンレジンやポリシラザンを主剤としたケイ素被膜形成するコーティングという観点で、このようなコーティング剤をガラス系コーティングと言う方もいれば、シリコーンオイルを使用した乳化タイプのコーティング剤、硬化被膜にはならないけどケイ素成分が入っているからという観点でこういったコーティングをガラス系コーティングという方もいます。
そうです!ガラスコーティングの定義はとても曖昧なんです!
化学用語としてどちらが正しいということもないですし、人によって表現も異なるので曖昧になってしまっていますが、分かりやすくこの2つを区分するなら「硬化被膜型ガラスコーティング」と「乳化型ガラス質コーティング」といった感じではないでしょうか。
そして一般的には、「乳化型ガラス質コーティング」の方がガラス系コーティングと呼ばれていることが多いかと思います。
ポリマーコーティングとガラス系コーティングの特徴
上記の内容を理解していただいた上で、一般的にポリマーコーティングと言われるものと、ガラス系コーティングと言われるものの特徴をご紹介したいと思います。
まず、ガラス系コーティングも当然ポリマーに分類されます。
ガラスはケイ素ですがポリマーには元素記号はありません。ポリマーは分子量を指す言葉です。
なので、この2つは比較対象ではないことをまずご理解ください。
ガラス系コーティングは上記でも述べたようにシリコーンオイルを主成分とし、撥水、艶を向上させる簡易コーティング剤です。
ワックスなどと違い汚れも抱き込みづらいので、定期的に使用することで綺麗な状態を保つことができます。
ポリマーコーティングにはフッ素(テフロン)の乳化剤、そして先程ご紹介したガラス系コーティングが含まれます。
基本的には硬化被膜にならないものが多いため、寿命は3~6ケ月程となります。
ガラスコーティングの特徴
ガラスコーティングの最大の特徴は、ガラス系コーティングとは違い、無機質であるということです。
無機質であるということは、簡単にいうと劣化しないということです。
そのため、カーコーティングに限らず塩害対策や塗装のチョーキング(塗装が粉をふく状態)対策など、ガラスコーティングには多岐にわたり用途が存在します。
ただカーコーティングの場合は、ムラが発生しないよう非常に薄膜にする必要があります。具体的な値を述べますと、平均で0.5μ~1μに満たない程度の厚さです。
ちなみに、サランラップで大体10μ程と言われておりその10~20分の1ということになるため、無機質で頑丈なガラス被膜になるといっても、キズが入らなくなったり全く汚れが固着しなくなるわけではありません。
最近では、カーコーティング以外の場所でもガラスコーティングを過大評価した無責任な商品が非常に多く出回っているため、間違った情報に惑わされないよう、最低限の正しい知識をつける必要があります。
まとめ
以上、コーティングを「ポリマー」「ガラス系」「ガラス」の大まかな3つのタイプに分けてご紹介しました。
カーコーティングを検討している方は、ぜひ今回の記事にあるそれぞれの特徴を参考にしていただいて、満足できるコーティング選びに役立ててください。